レボドパ(ドーパ)は現在においても最も使用されているパーキンソン病の治療薬である。我々は今まで活性がないと考えられて来たドーパが神経伝達物質として働くという仮説を提唱している。本研究では、中枢性の血圧調節を司る延髄弧束核という脳領域においてドーパがグルタミン酸の作用を増強することを証明した。 我々は血管におけるドーパの役割についても解明した。ドーパがドーパ受容体 GPR143 を介してアドレナリンα1受容体の作用を増強することを証明した。このメカニズムが血圧の日内変動に関与する可能性があることを証明した。 これらの知見はドーパが生理学的な血圧制御に重要な役割を果たすことを示す。
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