研究課題
若手研究(B)
40-59歳の一般中高年男性を対象としたWeb調査を実施し、男性の自殺の重要な関連要因とされているデモグラフィック要因(婚姻状況、就労状況)と自殺関連行動、および援助要請行動の関連性を明らかにした。また、負債や就労問題といった社会経済的要因を抱えた中高年男性のうち、すでに何らかの専門的援助につながっている者がいかにしてその援助を受けるに至ったのか、その過程について定性的に検討を行うためのデータ収集を完了することができた。
臨床心理学
わが国では、中高年男性を対象とした自殺予防および援助要請の研究は過去にほとんど行われておらず、本研究の成果は、両研究領域における研究対象の拡大と実証研究の蓄積という観点で意義が大きい。また、援助要請場面の文脈を重視した定性的研究を実施したという点において、従来の研究を発展させることができた。本研究の成果は、依然としてわが国の自殺死亡の主要層である中高年男性の自殺予防対策を進める上で、貴重な基礎的データとして活用が期待される。