月面地球照および月食の偏光観測を行い、次の結果を得た。(A) 地球反射面に占める海の割合が大きいほど、反射光の近赤外偏光度は高めになる。(B) 地球反射光の偏光度が最大となる位相角(光源-対象-観測者のなす角)は、可視光よりも近赤外線のほうが大きい。この観測特徴は「地球と同程度の光学的厚み(透明度)をもつ大気」の存在を指し示すものと考えられる。(C) 初めて月食の偏光度スペクトルを取得し、波長600nm以下や酸素分子の吸収波長で2-3%程度の偏光を検出した。地球大気透過光の偏光度は「雲の空間分布」に関係していることが示唆された。 これらの偏光特徴を用いた生命居住可能性の調査が期待される。
|