研究実績の概要 |
大阪府のきしわだ自然資料館に収蔵されているウオノエ科標本を調査し,その結果を報告した.68個体のウオノエ科標本(液浸および乾燥標本)を調査した結果,以下の5同定種と未同定の8個体を確認した:ナミオウオノエCeratothoa carinata (Bianconi, 1869),タイノエCeratothoa verrucosa (Schioedte & Meinert, 1883),ソコウオノエCeratothoa oxyrrhynchaena Koelbel, 1878,Mothocya parvostis Bruce, 1986,サヨリヤドリムシMothocya sajori Bruce, 1986,ウオノコバン属の未同定個体Nerocila sp.,ヒゲブトウオノエ属の未同定個体Ceratothoa sp..きしわだ自然資料館収蔵の中島徳一郎コレクションには古いウオノエ科標本が多数含まれていた.残念ながらそれらの多くは採集データが不完全であったが,M. parvostis(KSNHM-C00183)はデータが完全であり,1941年8月4日に岸和田市で採集されたサヨリHyporhamphus sajoriから得られた個体であった.日本国内に現存する戦前のウオノエ科標本は非常に少なく,これらは歴史的標本として貴重であることを述べた. 我が国のハタンポ属Pempherisの幼魚から得られたウオノギンカ属Anilocraのエガトイド幼体を共著者と調査したところ,新知見が得られた.そこで,この結果を論文にまとめ,某誌へ投稿した. これまでの調査で得られたウオノエ科に関する知見を一般向けにわかりやすくまとめ,一般書を分担で執筆した.
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