本研究は、我々がマウスの視床下部に発見した新規領域PeFAH(旧デルタエリア)の機能を明らかにするために、これらニューロンの活動を薬理遺伝学の手法により操作し、行動やストレスホルモンへの影響を調べた。PeFAHニューロンの活性化は、ホームケージの床や床敷きを匂う行動に加え、前足や鼻先で床敷きを動かす行動を誘発した。これらマウスのストレスホルモンレベルや新規環境における不安レベルに差は認められなかったが、新奇物体に対するリスクアセスメントが有意に上昇していた。ホームケージで観察された行動の意義は未だ不明であるが、PeFAHは新奇物体の潜在的危険性をはかる防御行動に関与する可能性が示唆された。
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