研究課題
21世紀における中国の中等職業教育制度の展開メカニズムについて、政策の推移と実際の職業学校における生徒募集の戦略を中心に考察を行った。改革・開放政策以降、国家レベルの重要課題として職業教育拡大政策が展開されてきたが、これまでの先行研究によると、その経緯は(1)回復・振興期(1970年代末~1980年代前半)、(2)拡大期(1980年代後半~1990年代後半)、(3)調整期(1990年代末~)と大きく三つの時期に区分されていた。しかし、2002年に国務院による「聯合弁学(産学連携)」が提唱されたことを皮切りに、職業学校は企業と連携する形で生徒募集、カリキュラム開発、職場実習等を行うようになり、また教育の受益者である生徒やその保護者も労働需要や市場メカニズムに対応して学校選択を行うようになっていった。そこで、本研究では、21世紀以降の中等職業教育政策が(4)市場化期(2000年代半ば~)という新たな局面を迎え、政府の直接的なコントロールから開放された職業学校が企業とともに自主裁量権を大幅に拡大させたことを指摘した。
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Jialing Han (Ed.), A Multi-Country Study on the Education of Migrant Children, 2017 WISE (World Innovation Summit for Education) Research
巻: 11 ページ: pp.56-75