本研究は、ピアノ伴奏者及び教員・保育者養成に役立つピアノ伴奏法のメソッドを検討するための基礎研究である。今回はダイナミクスに焦点を当て、国内で活躍するピアノ伴奏者の演奏分析を行い、以下の傾向を見出すことができた。(1)ピアノ伴奏者の演奏を分析した結果、歌のフレーズの頂点とその1拍前が強くなる。(2)歌がクレッシェンドをする際に伴奏はクレッシェンドの始めの部分で音量を落としてからクレッシェンドを始めている。(3)プロとアマチュアの伴奏を比較した場合、プロはダイナミクスレンジが広い。(4)プロの演奏では、基本的に歌詞の言葉の抑揚に則した音量調整が行われている。
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