研究課題
本年度は,コンフルエント細胞環境でのバイスタンダー効果(以下,BE)伝達シミュレーションモデルの完成を目指し、各種パラメータの調整を行った。モンテカルロシミュレーションベースでのバイスタンダー効果の再現に成功し、細胞レベルから組織レベルへの拡張の可能性が期待できる知見が得られた。また、PHITSコードとGeant4-DNAツールを使用したナノレベルの放射線輸送計算プログラムを構築した。モンテカルロシミュレーションの高解像度化を進め、DNAレベルでの細胞への線量付与計算を行った。これにより、細胞への放射線量とバイスタンダー効果の進展範囲、それに伴う放射線影響との関係を調査した。当初は細胞内の各器官への放射線エネルギー付与計算を目標としていたが、細胞の種類により器官の形状が異なるためモデル化ができなかった。平成28年度に予定していた細胞実験は当初想定していた実験系を構築することが困難であることがわかり、実現ができなかった。以上の成果は,欧州放射線影響学会(ERRS2017)にて招待講演で発表した。さらに、本研究で得られた知見から派生した成果を論文投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 1-14
10.1038/s41598-018-23202-y