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2017 年度 実績報告書

シナプス機能障害マウスを用いた新規発達障害モデルの検討・解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K21319
研究機関岩手医科大学

研究代表者

真柳 平  岩手医科大学, 医学部, 講師 (20432544)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードシナプス / PSD-Zip70 / ノックアウトマウス / 行動解析 / prefrontal cortex / 不安 / Rap2 / ストレス
研究実績の概要

前頭前皮質のシナプス成熟不全を示すPSD-Zip70遺伝子破壊(PSD-Zip70KO)マウスの行動解析からPSD-Zip70欠失が不安傾向、作業記憶および認知機能の障害を引き起こすことを見出した。さらにASD(自閉症スペクトラム障害)などの発達障害に見られる行動特性として社会性、常同行動、うつ病に見られる行動特性として抑うつ行動、快感喪失、無気力性に注目した解析を行った。しかし意外にもそれらの行動特性にはPSD-Zip70欠失は大きな影響を及ぼさないという結果となった。行動異常の中で顕著であった不安傾向について、不安障害、感情障害発症の起因となるストレス負荷との関係について注目してさらに解析進めた。その結果、PSD-Zip70欠失に加えてストレス負荷がかかると、不安傾向の増悪が認められた。これらの結果はPSD-Zip70欠失マウスはASDなど発達障害に見られる行動特性は示さず、強い不安傾向とストレスに対する脆弱性といった不安障害様の特性を持つことを示唆した。
また、PSD-Zip70はグルタミン酸刺激によって速やかに神経細胞内における細胞内局在を変化させることを見出した。局在変化に関わるPSD-Zip70結合タンパク質を新規に同定し、刺激応答における制御機構について詳細に解析を行った。PSD-Zip70は刺激依存的に結合タンパク質を変化させ、Rap2活性変化とAMPA型グルタミン酸受容体動態を介してシナプス応答の可塑性に関与するメカニズムを明らかにした。さらにストレスに起因するシナプス機能低下と不安行動において、PSD-Zip70が介在するRap2活性化が関与することを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Na+/H+ exchange regulatory factor 1 is required for ROMK1 K+ channel expression in the surface membrane of cultured M-1 cortical collecting duct cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi Suzuki, Kazuyoshi Nakamura, Taira Mayanagi, Kenji Sobue, Manabu Kubokawa.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 489 (2) ページ: 116-122

    • DOI

      doi: 10.1016/j.bbrc.2017.05.104

    • 査読あり
  • [学会発表] ストレス起因性の不安におけるRap2活性化を伴う前頭前皮質の機能低下の関与2018

    • 著者名/発表者名
      真柳 平、祖父江 憲治
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第84回例会 (矢巾)
  • [学会発表] Involvement of Rap2-mediated prefrontal dysfunction in social stress-induced anxiety.2018

    • 著者名/発表者名
      Taira Mayanagi, Kenji Sobue
    • 学会等名
      第41回日本神経科学大会 (神戸)

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公開日: 2018-12-17  

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