本研究では、SGLT2阻害薬には潜在的なNa利尿作用がある一方、体液量の恒常性維持に重要な役割を果たすことを明らかにした。動物モデルへのSGLT2阻害薬投与により、①食餌量・飲水量と独立した尿中Na排泄促進・尿量増加作用があること ② 体液貯留のない非糖尿病モデルでは、食餌量・飲水量増加により代償され体液量を減少させないこと ③体液貯留高血圧モデルでは、尿量増加を介した体液量減少効果があること を明らかにした。さらに、体液貯留を伴う糖尿病腎障害患者へのSGLT2阻害薬投与は、開始3日目をピークとした尿量及び尿中Na排泄促進を介して、細胞外水分量優位に体液貯留を改善させることを明らかにした。
|