研究課題/領域番号 |
15K21326
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研究機関 | 作新学院大学 |
研究代表者 |
狐塚 貴博 作新学院大学, 人間文化学部, 准教授 (00739526)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 家族関係 / 子どもの問題行動 / 家族システム / 青年期 |
研究実績の概要 |
本研究は、思春期における子どもの問題行動とこの時期の家族関係との関連を明らかにし、子どもの問題行動の低減と関連する家族関係のあり方を検討することである。 2015年度においては、子どもの問題行動と家族関係を捉える尺度項目の検討とそれらを用いて予備調査を行うことを目標とした。中学生計700名を対象に実施した予備調査では、家族成員間の結びつきの強さと均衡した影響力のバランスを有する家族関係が、思春期の子どもの問題行動の低さとの関連を示した。しかし、本研究の目的の一つである子どもの問題行動と家族関係のあり方のモデル化という側面では、十分な成果が得られなかった。具体的には、共分散構造分析に耐えうるための家族関係の査定方法、さらには子どもの問題行動を捉える尺度項目の精緻化が課題となった。そこで、これらを克服するために、現役の小学校・中学校教員とディスカッションを行い、子どもに負担なく、また包括的に問題行動を捉える項目内容を再検討を行うこととした。同時に、家族関係を捉える項目においても、再検討を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のように2015年度においては、予備調査を実施し、改善点を明確にすることができた。具体的には、家族システムを捉える尺度項目、ならび子どもの問題行動を捉える尺度項目の精緻化の課題である。この問題を克服するため、現役の小学校・中学校教員とディスカッションを行い、より簡易的、且つ本研究の目的に即した項目の選別を検討している。調査対象となる教育機関との連携も滞りなく進み、本年度内には研究論文として仕上げる段階までを到達目標としたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、予備調査から得られた情報を反映させた質問紙を2016年7月中に完成させ、データ収集を行う。なお、データ収集を行う教育機関の内諾は得ている。2016年10月には分析の見通しを立て、結果をまとめる。年度内には論文としてまとめるといった状況にある。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた大きな理由としては、統計分析ソフト(SPSS)とPCの購入が遅れたためである。しかし、2016年5月時点で購入済みである。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては、物品費(設備備品費)として統計分析ソフトとPC、インタビューに用いる録音媒体に使用する。消耗品については、書籍、質問紙印刷用のための用紙とインク代等が該当する。国内旅費については、2つの学会で発表を計画している。人件費についてもデータ分析、資料整理に必要となる。最後にその他については、アンケート調査作成のために使用する。よって、概ね計上した金額となる予定であり、大きな変更はない。
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