研究課題
背景:BTB and CNC homology 1(Bach1)はheme oxygenase(HO)-1の抑制性転写因子である。新生仔の高濃度酸素性肺傷害におけるBach1欠損の影響についてはよく分かっていない。今回われわれは高濃度酸素暴露された新生仔マウスにおけるBach1の役割について検討した。方法:Bach1欠損新生仔マウスと野生型新生仔マウスを21%または95%酸素に4日間暴露し、以降はルームエアで回復させた。肺を組織学的に評価し、肺内Bach1・HO-1・interleukin(IL)-6・monocyte chemoattractant protein(MCP)-1 mRNAをリアルタイムPCR法で定量化した。cytometric bead arraysを用いて肺内炎症性サイトカイン値を測定した。結果:新生仔期高濃度酸素暴露後回復期(日齢14)にBach1欠損マウスは野生型肺と比較して肺胞化を改善させた。高濃度酸素暴露したBach1欠損マウス肺内のHO-1・IL-6・MCP-1 mRNAとIL-6・MCP-1蛋白レベルは有意に増加した。高濃度酸素暴露後、Bach1欠損マウス肺・野生型マウス肺両方でアポトーシスが増加したが、両マウス間で差は認めなかった。結論:Bach1欠損新生仔マウスは野生型と比較して高濃度酸素性肺傷害からの回復が良かった。この効果はHO-1の抗酸化・抗炎症活性または炎症性サイトカインの一時的な発現増加によるものであることが示唆された。
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Pediatr Res
巻: Epub ahead of print ページ: Epub
10.1038/pr.2017.17.