研究課題/領域番号 |
15K21337
|
研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
吉松 梓 駿河台大学, その他部局等, 助教 (90508855)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 自然体験療法 / 発達障害 / 身体感覚 / 不器用 / ボディ・イメージ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達に困難を抱える児童・生徒を対象に、長期継続的な自然体験療法プログラムを開発実践し、身体感覚や不器用さといった”身体”の側面からその効果および治療的意味を検討することである。 平成27年度は、本研究の研究課題1として「長期継続的な自然体験療法プログラムの開発とアセスメント方法の検討」を中心に行った。 まず、長期継続的な自然体験療法プログラムの開発については、国内の文献収集を中心に実施した。この結果、国内の実践についてはおおよそ概観できたものの、国外の文献については現在収集段階である。また、実践現場での実地調査が充分に実施できず、今後の課題となった。 次に、アセスメント方法の検討については、発達に困難を抱える児童・生徒のボディ・イメージに着目し、先行研究を行った。国内外のボディ・イメージ研究を概観した結果、ボディ・イメージ概念の変遷とボディ・イメージを測定する数多くのツールの特徴が明らかになった。ただ、既存のボディ・イメージを測定するツールの中には、本研究の対象が抱える身体感覚や身体コントロールの問題を含んだ包括的な児童・生徒用のツールがみあたらず、新たに尺度開発をすることが今後の研究課題となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、産前産後の休暇および育児休業の取得により、年度途中におよそ3ヶ月に渡って研究を中断する期間があった。そのため、研究課題1の内の文献収集についてはおおよそ予定通りに行えたものの、実践現場での実地調査が充分に行えなかった。また、研究課題1の中で新たに尺度作成の必要性が生じたため、研究全体としてやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度に申請した産前産後の休暇および育児休業に伴う科学研究費助成事業の補助事業期間延長が承認されたため、本研究の補助事業期間は、当初の平成27~30年度から平成27~31年度に変更された。 上記のことを踏まえ、平成28年度は平成27年度に引き続き、研究課題1の「長期継続的な自然体験療法プログラムの開発とアセスメント方法の検討」を中心に行う。特に平成27年度に課題として残った、実践現場での実地調査、およびボディ・イメージ尺度開発を重点的に行う。研究を遂行するための工夫として、研究協力者との定期的な研究会を開催し、研究計画全体や各研究課題の進行が円滑に推進するようにする。 平成29年度以降は、当初平成28年度から予定していた研究課題2および3の「発達に困難を抱える児童・生徒を対象とした自然体験療法プログラムの”身体”の側面への効果測定と治療的意味の検討」を1年づつずらして実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は産前産後の休暇および育児休業取得のため、およそ3ヶ月間研究を中断した期間があった。このため、研究全体の進行にやや遅れが生じ、当初予定していたアセスメントツールの購入等を見合わせた。また、研究中の期間においても産前産後の状況のため、宿泊を伴う実践現場での実地調査を充分に行うことができず、そのための旅費や調査用の物品費を使用することがなかった。これらの理由により、次年度の使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、当初平成27年度に予定した研究課題1の「長期継続的な自然体験療法プログラムの開発とアセスメント方法の検討」を中心に行う。そのために、次年度使用額と請求額の合計およそ450千円を以下の内訳で使用する計画である。 1)物品費150千円(研究論文・図書等50千円、アセスメントツール開発80千円、文具等20千円)、2)旅費150千円(調査・研究旅費100千円、研究打ち合わせ50千円)、3)人件費・謝金100千円(研究協力者雇用)、4)その他50千円(研修会参加費等)
|