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2016 年度 実施状況報告書

電磁波に関するリスクコミュニケーションの基盤形成

研究課題

研究課題/領域番号 15K21342
研究機関千葉工業大学

研究代表者

高木 彩  千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (30532395)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードリスク認知 / リスクコミュニケーション / 知識 / 情報探索 / 信頼
研究実績の概要

本研究は、電磁波のように健康影響について十分に明らかとなっていない事例について、関心と知識水準が異なる多様な市民に対する、有効なリスクコミュニケーションのモデル構築を目的としている。平成28年度は当初「(2)組織への信頼感は、人々の対処行動(情報探索等)やリスク認知にどう影響するのか、またその影響力は、関心や知識水準によりどう異なるのか」を検討する予定にしていた。だが平成27年度の調査研究において、当初予測していなかった電磁波のリスク認知に対する主観的知識量(判断対象についての知識量の自己評価)と客観的知識量(実際に有する判断対象についての知識量)の交互作用効果が確認された。その結果からは、客観的知識の水準が低いにも関わらず主観的知識の水準を高く評価している場合には、新しい科学的知識を得るための情報探索行動を抑制され、結果として電磁波のリスク認知が高いまま維持される可能性が示唆された。そこで平成28年度は知識量の要因の影響に焦点を当てた実験室実験を実施した。実験では、実験参加者の電磁波に関する主観的知識量を実験的手法により操作を行い、後続課題として実施したWEBサイトでの電磁波に関する情報探索行動を経て、WEBサイトを運営する組織への信頼感とリスク認知に及ぼす影響を検討した。その結果、リスク認知など一部の従属変数では、主観的知識量の要因の効果が確認され、予測を支持する結果パターンが得られた。しかし、独立変数の操作の妥当性及び有効性については疑問が残る結果となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に予定していた、WEBでのリスク情報の探索行動と、その探索行動が与える組織への信頼感とリスク認知への影響を検証することができた。平成27度の研究結果を受けて、主観的知識量を操作する実験計画への変更は行ったが、当初の予定通り、WEBでの情報探索行動における主要な変数の因果関係を実験的に検討することはできたため、およそ順調に研究を進展させることができたと判断する。

今後の研究の推進方策

平成28年度の実験手続き(特に独立変数の操作方法)に課題を残しているため、手続きの改良を行い、引き続き信頼感が情報探索及びリスク認知に及ぼす影響と、関心と知識量の調整効果について精査する予定である。また、平成28年度に実施した研究に関しては、平成29年度の早い段階で成果をまとめ、学会で発表することを予定している。

次年度使用額が生じた理由

主な理由は、実験での使用を目的としたノートPCの購入が予定よりも安価で済んだためである。

次年度使用額の使用計画

学会や研究会により積極的に参加し、情報収集に努める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The predictors of institutional trust regarding electromagnetic field: the moderating role of objective and subjective knowledge2017

    • 著者名/発表者名
      Aya TAKAGI & Megumi KOMORI
    • 学会等名
      International Convention of Psychological Science
    • 発表場所
      Vienna(Austria)
    • 年月日
      2017-03-23 – 2017-03-25
    • 国際学会
  • [学会発表] 公的組織への信頼感がリスク認知に及ぼす影響と知識量による調整効果―電磁波を事例として―2016

    • 著者名/発表者名
      高木彩・小森めぐみ
    • 学会等名
      日本社会心理学会第57回大会
    • 発表場所
      関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス(兵庫県西宮市)
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-18

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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