研究課題
若手研究(B)
日本漢方の黎明期の中心人物に、田代三喜と曲直瀬道三がおり、両者の薬物書である能毒書が残されている。田代三喜の薬物書である能毒書について、内藤記念くすり博物館所蔵『当流能毒集』(T0293)のほか杏雨書屋所蔵の『能毒集新撰之方』(乾1801)を見出し報告した。曲直瀬道三の初期の薬物書には京都大学富士川文庫所蔵『能毒全并追加』(ノ/5)などを見出した。田代三喜は独自の作字により生薬の表記を行ったが、曲直瀬道三は作字を採用せず、生薬名に点を打つことによって生薬の薬性についての情報を加えている。
伝統医薬