ポルフィリン症の一形態である晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)の誘発因子としてのC型肝炎ウイルス(HCV)感染の役割が注目されているが、その因果関係は明らかになっていない。本研究で、HCVコア蛋白質がヘム生合成関連蛋白質の発現変動を介して細胞内ポルフィリン代謝を変動させることが示され、HCVコア蛋白質により惹起されるポルフィリン代謝変動は、ポルフィリンの生合成回転の上昇とコプロポルフィリンの細胞外排泄の亢進という側面を持つ可能性を見出した。さらに、HCVコア蛋白質が、ポルフィリン症誘発因子の一つであるエタノールによるヘム生合成の律速酵素であるALAS1の発現上昇を増強することを明らかとした。
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