研究課題/領域番号 |
15K21348
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研究機関 | 川村学園女子大学 |
研究代表者 |
松本 祐介 川村学園女子大学, 教育学部, 講師 (30738000)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多様な評価観点 / 局面別の叙述方法 / 3段階評価 / 得点化 / 動作改善 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまで動作の改善や学習という観点から検討されてこなかった捕球動作に着目し、体育授業における小学校低学年児童の捕球動作を改善するための学習指導論を提案することであった。この目的を達成するために必要な具体的な検討事項は以下の4点である。①新たな捕球動作の評価指標の作成とその妥当性の検討、②捕球の成否に関連する動作の検討、③「②」において明らかとなった動作の改善を課題とした指導プログラムの実践とその成果、④児童が捕球動作を改善するための時間的条件の検討(体育授業内での学習可能性)。本研究は2ヵ年計画であり、①と②の検討事項を1年目に行う計画であった。 検討事項①に関しては、これまで検討されてきた代表的な捕球動作の評価基準を、評価観点、評価方法、叙述方法の3つの観点から比較検討することで、(学習への活用を目的とした)児童のつまずきを発見することのできる新たな観察的評価基準を作成することができた。またその評価基準が妥当性および客観性を有していることを明らかにすることができた。 検討事項②に関しては、すでに収集してある捕球テストの映像データを、新たに作成した評価基準に照らし合わせ、全捕球試技(の動作)を評価し、3段階に得点化した。この得点化されたデータを基に、3つの観点から分析を行う予定だが、現在はこの作業が進行中であり、このデータ結果の算出が2年目の最初に達成すべき課題となった。 検討事項③に関して、統制群データとの比較を行った。その結果、捕球の成否へは学習の影響はみなれなかったが、学習によってハンドキャッチへの動作改善および緩衝動作の習得の促進という効果が得られることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要で先述した検討事項②の基となる捕球テストの映像データにおいて、児童の出席番号が事前事後の映像を比較したところ異なっていた。事前は男子と女子に別れていたが、事後は男女混合の番号になっていた。そのため、事前事後の捕球データが同一児童になるよう映像から一人ひとりの顔判別を行い、データを整理するのに時間を要した。 また、検討事項③における「指導プログラムの実践」が、研究協力を承諾してくださっていた小学校の都合により、行えなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
まず、検討事項②のデータ結果算出を早急に終わらせる。 続いて、先述した通り、検討事項③に関して、当初の計画では、「統制群データとの比較」「指導プログラムの実践」が課題であったが、研究協力を承諾してくださっていた小学校の都合で、「指導プログラムの実践」を行うことができなくなった。現在「指導プログラムの実践」に関しては、新たな研究協力校に依頼し、回答待ちである。 しかし、2年目に予定していた「統制群データとの比較」に関しては、1年目においてすでにデータを収集し、分析および結果の算出も終えている。 そのため、「指導プログラムの実践」を行うことができれば(研究協力校が決定すれば)、検討事項③と④にすぐに着手することができ、計画通り研究を遂行できるものと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた参加学会(発表含む)の開催地が計画の際には不明であり、前年度と同様の旅費経費見積もりを行ったが、当該年度は、首都圏内での開催が多く、実際の旅費経費が見積もりよりも少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、当該年度とは逆に、予定している参加学会(発表含む)がすべて地方開催のため、従前の計画よりも旅費経費が多くなることが予想される。
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