ガラスモールド成形用金型離型膜として一般的に用いられているダイヤモンドライクカーボン(DLC)皮膜の高温環境下での密着力及び成形耐久性を定量的に評価するために,レーザスポレーション試験,熱衝撃試験,およびインデンテーション試験など種々の手法に取り組んだ.熱衝撃試験は,高温環境下におけるDLC膜の密着性状および表面損傷を評価するのに有効な手法であり,また,密着性状に及ぼす中間層構造の影響を評価することが可能であった.さらにインデンテーション試験では,300℃までの高温環境下においてDLC膜の密着性状は低下すること,および繰り返し負荷に対しては高温ほど損傷しやすいことが明らかとなった.
|