バクテリオファージの特異的吸着機構を応用することで、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する新たな迅速診断方法を確立することを目的とした。作製したバクテリオファージ由来吸着タンパクは、S. aureus特異的に反応し、その他の菌種と交差反応を示さないことが確認された。この吸着タンパクを用いて、ラテラルフローアッセイの原理を応用して、S. aureus検出系を構築した。S. aureusの臨床分離株を用いた評価試験では、我々が確立したPBP2’検出系の結果と本法の結果を組み合わせることによって、MRSA及びMSSAの鑑別が迅速かつ簡便に行うことが可能となった。
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