本研究の目的は、日本語教師養成プログラムと大学における英語教育分野が連携し、日本語だけでなく、英語で日本語指導を行うことができる日本語教師養成プログラムの開発を行うことである。現在、日本語教師養成課程では直接法による指導法を教えるのが一般的であるが、海外では学生の母語を使用する場合も多 いほか、国内においても特に大学機関において英語を媒介語として教えるコースが増えてきている。しかし、英語を柔軟に、効果的に用いた指導法の研究や実 践、日本語教師プログラムの開発は十分に行われているとは言えない。そこで、本研究では英語を効果的に用いた指導法を探るためのデータベースを構築すると ともに、そのデータ結果をもとに英語教育分野と連携し、日本語だけでなく、英語で日本語指導を行うことができる日本語教師養成プログラムを考案する。 令和元年度は、最後の補足調査を実施し、調査を完了した。補足調査では、今までの学生向けアンケート調査の結果、日本語レベルが上がるにつれ、媒介語としての英語使用の頻度が変わるとともに、英語使用に対するビリーフが変わることが示唆されたため、中級レベル以上の話者のデータを収集した。また、中級レベル以上の日本語クラスの授業観察も行った。学生向けアンケートについて、今まで収集したアンケートデータとこれらの新しいデータを整理・分析をし成果発表の準備を行った。また、全ての調査結果について、全体のまとめを行い、公開に向けた準備を行った。
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