本研究では、非酵素型カルパインであるカルパイン6(CAPN6)による骨格筋発達抑制の分子機構としてCAPN6によるRhoAの活性調節が重要な役割を果たしていることを明らかとした。また、CAPN6と最もタンパク質の構造的類似性が高いCAPN5が同じく低分子量Gタンパク質の活性を調節することを示唆するデータが得られ、CAPN6の新しい相互関連分子として着目するに至っている。病態との関連においては、共同研究の成果としてTNF-α刺激によりマクロファージで発現誘導されるCAPN6が、Rac1の発現抑制を介してLDLの飲作用を阻害することで動脈硬化を増悪させるという新規病態生理機構を明らかとした。
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