研究課題/領域番号 |
15K21375
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
巽 智彦 成蹊大学, 法学部, 講師 (10609126)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 第三者効 / 対世効 / 取消判決 / 形成訴訟 / 形成判決 / 形成力 |
研究実績の概要 |
「紛争の画一的解決の要請の諸相」と題するこの研究では、複数人間で共通の実体法状態を通用 させる必要があるとされる実体法関係の特色を、分野横断的に解明することを目的としている。そのために、①民事法分野における紛争の画一的解決の要請、②行政法分野における紛争の画一的解決の要請、③紛争の画一的解決の観点から見た行政行為の機能という3つの具体的な目標を設定し、研究を進めた。 ①に関しては、「対世効と紛争の画一的解決の必要性」と題する論文において、民事法関係における我が国の実定法の沿革を探求し、団体法(とりわけ会社法)、親族法、倒産法の各分野について、対世効規定が達成しようとした紛争の画一的解決の内実を明らかにした。②に関しては、「形成概念と第三者規律(一)~(四)」と題する論文において、我が国の第三者効規定の沿革とその内容解明を行い、民事訴訟法分野における「形成力」の概念の含意を明らかにすることを通じて、行政法分野における紛争の画一的解決の必要性に関する一定の知見を得た。③に関しては、「規律(Regelung)と取消原理」と題する論文を公表予定(校了)であり、二重効果的行政行為の事例、一般処分・対物処分、物権設定処分(とりわけ特許権設定行為)について、第三者効による処理が必要である理由を特定する前段階として、そもそも行政行為による「規律」、また行政行為が「違法でも取り消されるまでは有効」とされることの含意を、ドイツの学説史に遡って詳らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、(a)民事法分野における紛争の画一的解決の要請、(b) 行政法分野における紛争の画 一的解決の要請、(c)紛争の画一的解決の観点から見た行政行為の機能をそれぞれ解明し、(d)紛 争の画一的解決を要請する実体法関係の特色と、それを表現する実体法上の法技術のあり方につ いて一定の知見を得るという流れで進められる。 年度ごとの計画として、平成27 年度中に、比較法作業を含め(a)(b)(c)の作業をひと段落させることを目標としていた。このうち、平成27年度中の作業は予定通り完了した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、(a)民事法分野における紛争の画一的解決の要請、(b) 行政法分野における紛争の画 一的解決の要請、(c)紛争の画一的解決の観点から見た行政行為の機能をそれぞれ解明し、(d)紛 争の画一的解決を要請する実体法関係の特色と、それを表現する実体法上の法技術のあり方につ いて一定の知見を得るという流れで進められる。 平成28 年度は(d)の作業を行いながら、(a)(b)(c)の問題の公表準備に入ることを目標としていた。平成28年度は、後期に在外研究に出ることが決定したため、当初の予定を前倒しして前期中に業績の公表を完了するよう努める。
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