| 研究課題/領域番号 |
15K21383
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| 研究機関 | 帝京大学 |
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研究代表者 |
村上 慶子 帝京大学, 医学部, 助教 (40709200)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 歯科保健 / 社会疫学 / 社会経済的要因 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、歯科保健行動の実施率が比較的低い労働世代の地域住民を対象に、口腔の健康状態および歯科保健行動に影響を及ぼす物理的・社会経済的要因の検討を行うことである。平成27年度は、個人の社会経済的要因に焦点を絞り、分析および考察を行った。東京近郊に居住する労働世代を対象に行った質問紙調査の回答を用いて、父親の教育歴・母親の教育歴・本人の教育歴・幼少期の経済状態・現在の所得と、主観的な口腔の健康状態との関連を検討した。その結果、男性では、父親の教育歴・母親の教育歴が低い者ほど口腔の健康状態が悪く、その関連は特に母親の教育歴で強かった。女性では、親の教育歴との関連はみられなかった。同様の男女差は本人の教育歴でもみられ、男性のみ本人の教育歴が低い者ほど口腔の健康状態が悪かった。幼少期および現在の経済状況は、男女ともに口腔の健康状態と関連していた。以上より本研究では、現在の社会経済的要因を調整した上でも幼少期の社会経済的要因（特に母親の教育歴）は成人の口腔の健康状態と関連していること、その関連には男女差がみられること、を明らかにできたといえる。平成27年度の分析は、個人の社会経済的要因にとどまったが、平成28年度は地域の社会経済的要因および地域の物理的要因にも着目し、個人の口腔の健康状態および歯科保健行動に影響する要因を包括的に検討する予定である。その目的のため、現在、地域レベルの環境要因のデータベース構築を進めているところである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画書に記載していた平成27年度の目標の1つ目である「幼少期の社会経済状況と現在の口腔健康や行動との関連の検討」は順調に解析と考察を進め、地域歯科保健の国際学術誌に論文が受理され成果を公表したとともに、平成28年度に開催される国際学会に抄録を提出しているところである。2つ目の目標である「地域の環境要因に関するデータベースの構築」に関しては、地域の社会経済的要因のデータベースは順調に作成を進めている。地域の物理的要因のデータベースの作成は初めてであるため、平成27年度は作成方法の習得に務めた。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度から徐々に進めている「地域の環境要因に関するデータベースの構築」を引き続き実施する。地域データベースの構築を終えたら、地域の物理的・社会経済的な要因と個人の口腔健康状態および歯科保健行動との関連を分析する。その結果に加え、平成27年度に終えている個人の社会経済的要因との関連の分析結果も考慮し、労働世代の口腔健康状態および歯科保健行動に影響する要因を包括的に検討していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究計画は予定どおり進めているものの、次年度使用額が生じた主な理由は、平成27年度は消耗品の購入を控えたためである。平成27年度は既存のデータを用いた分析に焦点を絞ったためであり、平成28年度に物理的要因のデータベース構築を進めていく際に、当初は平成27年度に予定していたデータ解析のためのソフト・PC・周辺機器等の購入を平成28年度に変更した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
物理的要因のデータベース構築に必要なソフト・PC・周辺機器等の購入に費用を充てる予定である。また、平成27年度から進めているデータ分析について英文での論文化を行うため、英文校正や投稿料での研究費使用を計画している。また、平成28年度は国際学会での発表を予定しているため、旅費・参加費等が平成27年度よりも生じる予定である。
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