突然死一次予防目的に両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRTD)植込み術を施行した心不全患者125例を対象に、心室不整脈の発現と心電学的指標との関連性に関する検討を行った。ベクトル合成187チャネル高分解能心電計(DREAM-ECG)によるTp-e dispersionは有意に頻回作動例で大きく、心室遅延電位(LP)陽性例は頻回作動が多かった。非虚血性心不全患者103例を対象とした検討では、narrowing fQRS例は心室不整脈の発現率が低い傾向であった。CRT植込み術を施行した心不全患者において、脱分極異常および再分極異常ともに心室不整脈の発現と関連していることが示唆された。
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