研究課題/領域番号 |
15K21389
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
後藤 温 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (80644822)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 炭水化物 / 糖質 / コホート研究 / 糖尿病 / 肥満 |
研究実績の概要 |
本研究課題において平成27年度は、多目的コホート研究(JPHC study)の5 年後調査における食物摂取頻度調査票(FFQ)で調査した147項目の食品や飲料水のうち、「炭水化物成分表」に収載された89項目に対して、炭水化物の成分値を付与したが、FFQで調査され、「炭水化物成分表」に収載されていない項目のなかの炭水化物含有割合が高い食品もあり、これらの食品については同科・同属の食品の成分値を用いた代替する必要があると考えられた。 そこで、平成28年度は、これらの食品の同科・同属もしくは類似種の食品の成分値を用いた代替する作業を行った。その際、レシピ分解する必要性のある食品については、管理栄養士が標準的なレシピを作成後に分解後の成分値をあてはめた。 また、FFQによる炭水化物細分類摂取量推定の妥当性を確認するために、食事記録票のデータを用いて、比較検討することを予定していた。しかし、食事記録票に記録された食品には、「炭水化物成分表」に収載されていないものも多かったため、食物摂取頻度調査票の妥当性研究の対象者で24時間蓄尿した検体の提供を終えた対象者において、尿中のショ糖・果糖排泄量も測定することとした。この分析では、保存尿を分析し、尿中のショ糖・果糖を測定し、尿分析値を比較基準として、同対象者から得られた食物摂取頻度調査票のデータから推定される単純糖質摂取量との相関係数を算出し、妥当性を評価する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FFQで調査され、「炭水化物成分表」に収載されていない項目のなかの炭水化物含有割合が高い食品もあり、これらの食品について同科・同属の食品の成分値を用いた代替を行った。その際、レシピ分解を要する食品が多数存在したため、予想以上に、時間を要した。 さらに、妥当性検討のため、尿中のショ糖・果糖排泄量も測定することなったため、そのための倫理審査委員会の申請手続き等を行う必要が生じた。 平成29年度には妥当性調査に加え、予定していた、単純糖質の摂取実態の把握、関連解析を実行する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
(1) 炭水化物細分類の摂取量推定の再現性・妥当性調査:平成28年度に引き続き、FFQによる摂取量推定の再現性・妥当性調査を行う。 (2) 単純糖質の摂取実態の把握:年齢・性別などで対象者を分け、炭水化物細分類の摂取量(g/日)や1 日の摂取エネルギーに占める摂取量の割合(%エネルギー比)の統計値(平均値、中央値等)を求める。 (3) 糖尿病や死亡などをアウトカムとした関連解析:炭水化物細分類(とくに単純糖質摂取量)を曝露因子として、糖尿病や死亡との関連を横断的に解析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
妥当性検討のため、尿中のショ糖・果糖排泄量も測定することなったため、その測定費用を平成29年度に支出するため。
|
次年度使用額の使用計画 |
尿中のショ糖・果糖排泄量の測定費用を平成29年度に支出する。
|