汎用性に富む市販のNi-Cu系、Cu-Mn系などの合金基板、またステンレス鋼基板に穏和な熱処理を施すことで表面に特定の金属成分を析出させ、自己形成型の触媒層としてグルコースの電気化学的な酸化能や、ナノカーボンの成長触媒としての特性を評価した。グルコース酸化触媒としては、特にNi-Cu系基板において、適切な熱前処理により、アルカリ性条件下における電気化学測定で高い酸化能の発現を確認した。ナノカーボンの成長触媒としては、独自の液相合成法に導入することで、熱処理したステンレス鋼基板やNi-Cu系基板の表面に種々のナノカーボンの合成に成功した。表面触媒種の特定や触媒反応機構の考察も併せて行った。
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