糖尿病性合併症のひとつに中枢神経障害がある。糖尿病性の中枢神経障害の種類や程度は発症時期により異なり、若くして糖尿病となると障害が重篤になる傾向がある。本研究では、糖尿病の発症時期の違いに基づく脳血管障害メカニズムの解明を目指して、発症時期の異なる2種類の1型糖尿病モデルを作製し、脳血管透過性を評価した。幼若期発症1型糖尿病モデルでは、糖尿病発症直後に海馬や線条体の脳血管の透過性が上昇し、大脳では脳血管の透過性は少ないことがわかった。一方、このような変化は成体期発症1型糖尿病モデルでは認められなかった。今後は、詳細なメカニズムの調査を試みたい。
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