研究課題/領域番号 |
15K21402
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
筧 宗徳 福島大学, 共生システム理工学類, 講師 (00453655)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生産システム / 搬送 / シミュレーション / 経営工学教育 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、「物流時空メッシュ分析」の理論を含め、本理論を含む生産システム設計の生産シミュレータを用いた教育プログラムの設計・開発について実施した。 工場建屋内などの物流において、自動搬送車や運搬台車などの搬送手段の往来により様々な要因で渋滞が発生するが、「物流時空メッシュ分析」では、この渋滞の発生確率を視覚的に表現する。 工場建屋内のレイアウト設計の段階で、レイアウト、施設の配置を従来は物量と搬送距離より評価を行っていたが、本手法を用いることで同時に搬送における渋滞を考慮した搬送通路などの設計についても行うことが可能である。 平成28年度は生産ラインや、工程や搬送を生産シミュレータを用いて設計、評価する教育内容を設計・開発し、実際に教育プログラムを実施して本プログラムの教育効果を確認した。平成29年度は、これまでの教育プログラムの応用編として位置づけ生産ラインを含む工場建屋内のレイアウト設計を中心とした教育内容を設計・開発した。本プログラムの特徴として従来の生産システムシミュレータを用いない教育では、生産と搬送の挙動を視覚的に理解することが困難であったが、本教育プログラムは、レイアウトをドラッグ&ドロップで配置させて直ちに生産性、搬送の状況が評価でき学習効果が高いのが特徴である。また、本教育プログラムでは、個人での操作を中心とした演習と、生産性等問題点を内在したケーススタディについて、グループディスカッションを行いながら問題解決を行う演習を用意した。 本研究では、大学教育で実際に利用し、アンケート・ヒアリング等で本教育効果の有効性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究テーマとして、本理論を用いた教育プログラムの設計・開発を中心に進めてきたが、もう一つのテーマとして「既存の生産システムシミュレータと本手法との連携」を挙げていた。生産システムシミュレータと本手法の連携において想定されるケーススタディを設定し、本手法の検証を行い手順化することを研究目標としていた。しかし、ケーススタディの調査、設定が想定より時間がかかり、進捗が一部遅れている。 平成30年度は、「既存の生産システムシミュレータと本手法との連携」を主要な研究テーマとして実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、前項の【現在までの進捗状況】でも述べたが、「既存の生産システムシミュレータと本手法との連携」を主要な研究テーマとして設定する。本テーマは、実務を想定した生産ラインの設計と生産ラインのレイアウト、工場建屋内のレイアウトに関する課題を調査、ケーススタディの設定をし、本手法をどのように実務で利用するか、実践的な問題を念頭に生産システムシミュレータと本手法の連携利用に関する手順化を提案し、より実用的な手法としていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本件研究で利用する生産システムシミュレータについて、本シミュレータを開発販売している企業より、研究利用を条件に利用料金を低額にしていただいた為、当初想定した金額との差額が生じた。また、論文掲載費が予定より低額であったことなども理由として挙げられる。平成30年度は別のシミュレータを利用する計画で、また最終年度にあたり発表等を行うため費用が増える予定である。
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