本研究の研究目的として、これまで「①物流時空メッシュ分析の理論的有効性の検証と実業務での連携・手順化」と「②生産システムシミュレータを活用する教育開発のための授業設計支援の手法」の2つを設定し進めてきた。 前年度まで、生産システムシミュレータを用いた授業設計開発のための手法としてID-QFDを提案し、本手法により授業開発・実施を行ってきた。さらに、本手法を用いて開発した授業を実施し得られたアンケートデータや学習者行動の情報、課題の評価などの評価情報を得た。本研究の最終年度として、この評価情報を元に、本授業の問題点を明確化し、ID-QFDの手法により、教育内容、教材を含めた授業全体へのフィードバックを行った。本手法は、学習教育目標からID-QFDを経て授業開発、評価を一貫して行う手法である。そのため、授業の問題点などを逆に辿ることにより、授業の問題点と教材など教育内容への対応が容易となり、授業の設計、開発、実施、評価である授業ライフサイクルマネジメントが行え、継続的な教育活動が実現可能となる。 本年度は、授業へのフィードバックを行い、授業改善を行い、さらに改善した授業を実施したことで授業ライフサイクルマネジメントが本手法により成立したことを確認し、2番目の研究目的である「②生産システムシミュレータを活用する教育開発のための授業設計支援の手法」について達成することができた。 以上により、本研究で設定した2つの研究目的について達成したことが示された。
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