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2016 年度 実施状況報告書

口腔機能の向上に効果的な新しい機能訓練プログラムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 15K21415
研究機関日本歯科大学

研究代表者

高橋 睦  日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (80565010)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード口腔機能 / 舌圧 / 咀嚼機能 / 咬合力 / 口腔機能訓練
研究実績の概要

本研究の目的は、若年者と高齢者の口腔機能を複数の要素から評価して基準値を明確化し、国民の健康の維持・増進に寄与できる新しい機能訓練プログラムを確立することである。そこで、健常成人30名を対象としてガム咀嚼トレーニングを実施し、トレーニングの継続が口腔機能に与える影響について検討を行った。
ガム咀嚼トレーニングは、閉口状態でガムの咀嚼を左右側臼歯部で10回ずつ交互に行う方法で、対象者には1日2~3回、3か月間毎日実施するよう指示した。なお、1回のトレーニング時間は5分間とした。口腔機能の評価は、前年度に検証した測定機器の測定精度と再現性、信頼性の検定結果を参考に、①JMS舌圧測定器を用いた最大舌圧と習慣性咀嚼側の頬圧、②Lip De Cumによる口唇閉鎖力、③グミゼリーを用いた咀嚼能率、により行った。測定時期は、ガム咀嚼トレーニング開始前、開始2週間後、開始1か月後、開始2か月後、開始3か月後、訓練中止2週間後、中止1か月後、中止2か月後、中止3か月後の計9時点とした。
トレーニングの継続による効果は、男性の方が女性よりも早期に現れる傾向があり、いずれの測定項目もトレーニング開始2週間後から開始3か月後まで増加する傾向を示した。トレーニング中止後は、男性、女性ともに減少傾向を示したが、訓練開始前よりも有意に高い値を示した。
本研究の結果、ガム咀嚼トレーニングの継続により口腔周囲筋圧、口唇閉鎖力、咀嚼能率は増加することが明らかとなり、口腔機能の向上に寄与する効果的なプログラムのひとつである可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

健常成人に対するガム咀嚼トレーニングの継続によって口腔周囲筋圧、口唇閉鎖力、咀嚼能率が増加することが示され、トレーニング中止後に減衰傾向を示すものの増加した値を維持することが、本年度の研究により明らかとなり、高齢者や疾病を有する者においても本トレーニングが口腔機能の向上に寄与するプログラムである可能性が示されたため。

今後の研究の推進方策

本年度の研究で健常成人を対象としたガム咀嚼トレーニングの継続が口腔機能の向上に効果的であることが示されたため、次年度は対象者の年齢や背景に配慮したプログラムの模索と検証を行い、国民の健康維持・増進に貢献できる新しい機能訓練プログラムの確立に努める。

次年度使用額が生じた理由

トレーニングに採用していた訓練用ガムの販売中止による対象者数の制限に加え投稿論文は未だ掲載に至っていないため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

成果発表のための国内旅費、およびその他として論文投稿料に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effect of training with chewing gum on the oral functions in healthy adults2017

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M, Satoh Y, Ishizuka K, Iwasaki S.
    • 学会等名
      第94回 日本生理学会大会
    • 発表場所
      アクトシティ浜松(静岡県浜松市)
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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