研究実績の概要 |
本研究は、施設一体型小中一貫校における教職員の負担を軽減しながらも、小中一貫教育の効果を高める校内組織・研修等の在り方を探るとともに、小中一貫校におけるいかなる経験が教職員の職能形成にどのように寄与したのかを明らかにすることを目的とした。そのため、本年度は以下の4点を中心に、研究を行った。 (1)施設一体型小中一貫校における勤務経験に関する質問紙調査の実施:これまでに宮崎県内の施設一体型小中一貫校に勤務した経験のある教職員を抽出(1,012名)し、施設一体型小中一貫校の校内組織・校内研修等に関する実態について問う質問紙調査を郵送法により実施した。 (2)施設一体型小中一貫校における観察調査および聞き取り調査:従来より研究協力を得ている宮崎県の施設一体型小中一貫校におけるフィールドワークや教職員を対象にした聞き取り調査を継続して行い、当該校の小中一貫教育の取組の経年変化や、小中一貫教育の課題と成果を把握した。本年度は昨年度に引き続き、学習指導要領改訂ならびに教職員の働き方改革の動向を踏まえ、カリキュラムマネジメントにどのように取り組んでいるかや、その中で教職員の負担軽減をどのように図ろうとしているかに焦点を当てた。 (3)小中一貫教育実践事例の収集・分析:上記(2)以外の小中一貫教育に関する実践事例の収集・分析を行った。第13回小中一貫教育全国サミットinおおつち(岩手県)や第4回小中一貫教育小規模校全国サミット(京都府)、教育課程研究指定校事業研究協議会への参加などのほか、小中一貫教育に関する文献の検討を通して、全国的な動向や小中一貫教育におけるカリキュラムマネジメントの取組の事例を収集・分析した。 (4)小中一貫教育に関する研究発表:第3回日本義務教育学会大会にて、「義務教育学校の諸相」をテーマに口頭発表を行った(筑波大学・樋口直宏、明治学院大学・石井久雄との共同発表)。
|