本研究の目的は、フェミニズム・アートのギャラリーが出版する記録を分析し、ギャラリーの組織運営と実務を行うコーディネーターたちに求められている力量を当事者の言葉により明らかにし、男女平等と多様性の視点から文化活動を組織運営するコーディネーターの社会的意義について理論的根拠を提供することであった。本研究で明らかになったコーディネーターに求められる力量とは、第一にアートにおける性差別構造を分析する力、第二に女性たちやマイノリティの創作活動そのものに内在する創造性を引き出す力、第三に先の2点のふまえながら作品展やイベントをコーディネートする力、第四にコミュニティの組織学習をコーディネートする力である。
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