複数の組織特異的プロモーターとオートファジー可視化マーカーを併用することにより、イネの葯の発達ステージ全体を通したタペート細胞におけるオートファジーの活性評価系を確立した。葯におけるホルモン成分の網羅的分析の結果、イネオートファジー欠損株では、花粉成熟に必須な植物ホルモンであるジベレリン(GA)の低下が観察され、葯のGA制御におけるオートファジーの重要性を明らかにした。併せて、タペート細胞のプログラム細胞死(PCD)誘導過程をモデルに、EAT1転写因子を中心とした転写ネットワークによる、活性酸素シグナルとオートファジー制御の可能性を示し、新たな植物PCD制御モデルの可能性が示唆された。
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