多成分流体中の局所的熱平衡の仮定を超える非平衡現象を理解することを目的に、拡張された熱力学(ET)に基づいた研究を行い、主に次の成果を得た。(1)希薄な多原子分子気体で構成される多成分流体を記述可能なETを構築し、系が満たすべき一般的な性質を明らかにした。特に、体積粘性の影響がせん断粘性や熱伝導の影響に比べて大きな気体に対し、場の方程式系を導出し、その特徴を明らかにした。 (2)ETの発展に寄与する成果も得た。特に、ETの適用範囲を、実在気体や分子内部自由度緩和が重要となる気体にも広げることに成功した。
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