本研究は、子どもがうたうわらべうた「どれにしようかな」を収集、分析し、このうたにどのような音楽的特徴があるのかを検討するものである。またこうした子どもの音楽実践においてはたらいている様々なタイプの知識について検討し、音楽教育分野における知識観を再定義しようとするものである。 研究の結果「どれにしようかな」の旋律には言葉のイントネーションだけでなく、フレーズ末尾で上行する日本の伝統的な音楽の旋律法が適用されることが明らかになった。また、子どもの音楽実践において、直観的な音楽の知識が違和感として顕在化し、それが言語化されることが、あらたな知識を共同生成するための契機となっていることもわかった。
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