研究課題/領域番号 |
15K21467
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
外川 佑 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10707376)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 半側空間無視 / 運転シミュレータ / 脳卒中 / 自動車運転 |
研究実績の概要 |
本年度の計画では,1) 半側空間無視(Unilateral Spatial Neglect:以下USN)軽症例用運転シミュレータ評価ソフトウェアの構築,2) 健常者を対象にした基礎データ蓄積,3) USN軽症例を対象にした臨床データ蓄積の3点を目標に実施した.研究成果としては以下のとおりである. 1) USN軽症例用運転シミュレータ評価ソフトウェアの構築;過去に集積された急性期に明らかなUSNを認め,運転再開を検討するほどに改善したUSN軽症例の実車運転評価前の神経心理学的検査等の評価記録や運転行動場面の評価記録や動画を分析した.その結果から,USN軽症例の中には,一般的なUSNの机上検査であるBehavioral Inattention Testではカットオフ値以上であるものの,実際の運転場面において,走行中ないし車庫入れ時に車両が左側ないし右側に過度に偏る傾向が明らかとなった.さらに,シミュレータ上のカーブが続く道路をはみ出さずに走行する操作課題でも車線左側に大きくはみ出す傾向が強いことも明らかとなった.以上の結果と先行文献をもとに,より精度の高い評価システム構築をめざして,評価ソフトの2つのシナリオを作成・編集した.運転シナリオの作成にあたっては,研究協力者との会議を実施し,協力・助言を得て,本田技研製のセーフティナビ(3画面タイプ)をベースにシステムを構築した.構築したシステムは①トラッキング課題と②複合トラッキング課題を作成した.同システムはプレ実験や調整を実施し,27年度内に完成させることができた. 2) 健常者を対象にした基礎データ蓄積,3) USN 軽症例を対象にした臨床データ蓄積;評価システムの完成が27年度末だったため年度内に開始できなかったが,データ蓄積に向けて新潟県内外の病院や自動車学校等から協力の承諾を得ており,実施に向けた環境調整も概ね完了した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者自身の体調不良により、研究が2か月間休止状態となった。そのため、27年度中に開始できる予定であった健常者の基礎データの蓄積、症例の臨床データの蓄積に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
作成した評価システムを使用し、健常者および軽度のUSN症例のパフォーマンスを測定する。また、症例の場合は運転評価前に実施した神経心理学的検査結果との関係や実車評価のパフォーマンスとの関係について分析を行う.
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