これまでの半側空間無視症例の評価は、机上におけるペーパーベースのテストや日常生活の観察が中心であった。しかし、ペーパーベースのテストは、運転再開を考慮するレベルの軽度の半側空間無視症例にとっては難易度が低いため異常が検出されず、運転場面で初めて危険が観察されるといった問題があった。 今回、軽度の半側空間無視例が、より難易度の高い複数課題下および処理速度負荷下において症状が検出されやすくなる特性を生かした運転操作を取り入れた運転シミュレータによる評価システムを構築したことで、軽度の半側空間無視症例の危険運転を事前に検出する事が容易になり、自動車運転評価の効率が向上するものと考えている。
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