研究課題
本研究は局所刺激に対する対光反射の瞳孔反応量を視感度として捉え,視野を他覚的に評価するものである。従来にない特徴は網膜神経節細胞の機能特性に応じた色光刺激を用い,視野をこれまでとは違った角度から多角的かつ他覚的に測定する点である。2015年度は色光刺激が可能な新しい瞳孔視野計の開発に着手した。色光刺激に適したディスプレイとその機能を評価するための輝度計を購入し,ディスプレイの性能を確認した。記録系としては赤外線CCDとマクロレンズの組み合わせを試用し,撮影画角や画質,サンプリングレートなどを確認した。2016年の2月には本研究の研究協力施設であるTuebingen大学 (ドイツ) の研究室を訪問し,研究の進捗状況および今後の方向性について協議した。また瞳孔視野の測定および分析のための専用プログラムの提供を受け,当方のシステムに組み込んでいる。2016年度は新しい瞳孔視野計を用いて正常データのデータ収集を行った。今後の臨床評価に向けて必要な分析ならびに基礎的な検討が完了した。関連研究として,国内外の大学と共同で取り組んだ対光反射に関係する内容が海外の雑誌に掲載された。色光刺激を用いた対光反射の記録については,新しい機能評価として注目され,いくつかの新知見を得ることが出来た。これらの研究成果をもとに,開発した瞳孔視野計に新機能を追加した。今後は臨床応用を計画しており,視野異常の他覚的検出に取り組む予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
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