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2016 年度 実施状況報告書

PQQ の体内動態と脂質代謝に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 15K21475
研究機関岐阜医療科学大学

研究代表者

三嶋 智之  岐阜医療科学大学, 保健科学部, 准教授 (00434522)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードピロロキノリンキノン / 高脂肪食 / ラット
研究実績の概要

本年度は脂質代謝に及ぼすピロロキノリンキノン(pyrroloquinoline quinone;PQQ)の影響について調べた。AIN-93Gをベースとして牛脂(30%)を添加した高脂肪食と100 μg/ml PQQ溶液を飲料水として4週齢のWistar ST rat(オス)に自由摂取させた。コントロールのラットには高脂肪食と水道水を自由摂取させた。28日間の飼育後、血漿のトリグリセリド(TG)・HDL-コレステロール・総コレステロールの濃度および肝臓のTG・コレステロールの量を測定し、肝臓の組織染色(HE染色およびズダンIII染色)を行った。
実験の結果、体重増加量,飼料摂取量,飲水量について両群間に有意な差は認められなかった。また肝臓,腎臓および各脂肪組織重量にも有意な差は認められなかった。PQQ投与群における飼育期間を通じてのPQQ摂取量は64.6±3.6 mg(12.1±0.7 mg/kg body weight/day)であった。血漿脂質濃度についてはPQQの投与群コントロールと比較して血漿TGおよびHDL-コレステロール濃度は低値傾向(p< 0.1)を示し、総コレステロールについては有意(p< 0.05)に低値を示した。また肝臓の脂肪染色の結果からすべてのラットについて肝臓に顕著な脂肪沈着が認められたが,両群間に有意な差は認められず、さらに両群間の肝臓中TG量、コレステロール量についても有意な差はなかった。また病理組織学的検査においてはすべての標本に病変等の目立った変化は観察されなかった。以上の結果から、今回のPQQの投与条件では肝臓の脂質量には影響が見られないが、血漿の脂質濃度は低下することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高脂肪食を投与したラットにPQQを与え、体内の脂質量に対する影響を調べた。血漿脂質濃度が低下する影響が確認されたことから、当初予定した飼育実験については概ね実施できた。
PQQの体内動態に関して吸収と排泄について検討したが、PQQの測定方法についての考慮を要している。特にPQQが酵素法による分析では測定できない形体となっていると推測されることから、他法による分析を検討する。

今後の研究の推進方策

本年度行った動物実験と同様に高脂肪食を与えたラットに、濃度の異なるPQQ溶液を摂取させ、脂質量の変化を調べる。また、肝臓を中心にミトコンドリアでの代謝活性の変化について調べ、PQQの脂質代謝に及ぼす影響について調べることとする。
また、PQQの体内動態に関する研究については、ヒトを対象とする医学系研究に関する倫理について学内規定等の変更により、ヒトの試料を使用するために諸手続きが必要となった。よって期間内に実験を行うことが困難と考えられたことから、動物の試料に代替し、実験を進めることとする。

次年度使用額が生じた理由

PQQの定量に関する実験の遅れにより、予定していた機器(マイクロプレートリーダー)の購入が遅れたため。

次年度使用額の使用計画

機器の購入についてはすでに納品日が決定しており、次年度に納品および支払いが生じる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 高脂肪食投与ラットの血漿および肝臓脂質に対する ピロロキノリンキノンの影響2017

    • 著者名/発表者名
      三嶋智之,藤根悦子,末政朱美,服部高幸,岩崎尚美
    • 雑誌名

      衣食住生活研究

      巻: 1 ページ: 17-21

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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