本研究の目的は,単一の動作課題を組み合わせたバランス能力と歩行能力の評価が,複数の動作課題から構成されるBerg Balance Scaleと比較して,高い精度で退院後の転倒を予測できるかどうかを明らかにすることであった。対象は,回復期リハビリテーション病棟に入院していた歩行可能な脳卒中患者78名であった。研究デザインは前向きコホート研究として,退院6ヵ月間の転倒状況を調査した。その結果,単一の動作課題である非麻痺側の下肢荷重率とFour Square Step Testの組み合わせは,Berg Balance Scaleより,退院後の転倒を高い精度で予測できることが明らかになった。
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