ドライビングシミュレータによる市街地走行を通じ,自動運転(AD)への依存と,AD破綻後のドライバ状態について検証した, 依存については,視線挙動の観点から,マニュアル運転(MD)時では進行方向に視線が集中するが,AD時は周辺視方向にも視線が停留し,漫然化傾向が示唆された.また,ブレーキ準備行動の観点からADにおける制御への依存も示唆された. システム破綻については,AD破綻前に比べ破綻後のMDで血圧の増加傾向が見られ,ADからMDへの遷移によるメンタルワークロードの増加が示唆された.一方,ADにおける認知・判断の依存に起因し,破綻前に比べ,AD破綻後のMDにおける脳活動の著しい低下が示唆された.
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