モンゴル国における人間=環境関係の変容を、20世紀の社会経済変動(農牧業の集団化、都市・工業化、鉱山資源開発等)と環境変化との関連に着目して検討した。本研究では、(1)社会主義時代の農牧業開発が、地方社会の土地・家畜・人の関係に及ぼした影響、(2)移行経済下の牧畜経営の実態とその特徴を、文献資料とフィールドワークにもとづくデータを組み合わせて検討することで、(3)牧畜の論理にもとづく物質循環・水循環の特徴およびその変容過程を明らかにした。それを通じて、近代化の影響と課題を、モンゴルにおける人間と自然のかかわりから考察した。
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