研究課題/領域番号 |
15K21505
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
玉置 えみ 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (10706568)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 結婚 / 健康 / 仕事 / 日系人 / 米国 / 国際人口移動 / 国際比較 / 移民 |
研究実績の概要 |
本研究では、仕事と家庭の両立が女性の健康に与える影響を国際比較の観点から検討することが目的である。パネル調査を含む欧米の先行研究では、無配偶者よりも有配偶者のほうが、健康状態が良好であることが示されてきた。しかしながら、その男女差に関する議論には未だ決着がついていない。例えば、女性は妻・母・労働者としての役割葛藤が男性より大きいことから、仕事を持つ女性にとって結婚はあまり有益でない可能性も指摘されている。本研究では特に、日本おける日本人女性と米国における日系人女性の健康度を比較することで、女性に期待される社会的役割の違いが、どのように女性の健康に影響を及ぼすかを考察する。今年度は、米国に在住する日系人への健康調査の概要および調査項目をまとめ、調査会社の選定を開始した。具体的にはインターネットを使い、日系人モニターへ以下の質問項目を含む調査を行うことを予定している。年齢、学歴、など社会的属性に加えて、主観的健康感、健康行動、婚姻状態、就労時間、移民世代、日本とのつながり、アメリカ社会への適応度、などを質問項目とした。なお質問項目は、可能な限り日本人データとの比較が可能になるように設定した。また、日本に在住する日本人女性の健康データを使い、結婚・仕事・健康の関連について予備分析を行った。その結果、有配偶女性は無配偶女性よりも健康度が高く、パートタイム就労者は健康度が高いことが示唆された。今後より詳細な分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は米国における日系人健康調査の概要・質問項目をまとめたが、費用の不足から調査の実施は次年度に行うことにした。しかし、調査を行うかわりに、日本人データの予備分析を開始したため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はインターネットによる在米日系人調査を実施し、分析を行う。特に、仕事を持つ有配偶女性と独身女性の健康度の比較を行う。また、既存の日本人データと比較を行い、健康度の差にどのような違いがあるか、検討する。さらに、日系人データから、アメリカ社会への適応度合いや、日本とのつながりが、どのように結婚と健康の関係に影響を与えるかも検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査費用の不足により、米国での日系人調査を次年度に行うことにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、インターネットによる米国在住の日系人への健康調査を実施する。今年度の直接経費は来年度の直接経費と合わせて、調査会社への支払いに使用する予定である。
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