研究課題
平成28年度は、解析モデルのさらなる拡張を行った。これまでのモデルでは、全てノードが正方格子上に存在することを仮定していた。これを非格子モデルへと拡張した。このモデルを確立することで、真の遅延耐性ネットワークの性能解析ができる。サイト確率、ボンド確率を定め、情報散布率を導出し、シミュレーションにより、手法の有効性を示した。さらに、実機による実験を行い、手法の実現性を示した。具体的には、シミュレーションにより、以下を示した。フラッディング手法と提案手法ではどちらも、より大きな電力を消費することによって送信距離を増加させると、送信の際に、より大きな電力を用いて無線の送信距離を増加させることで、情報散布率の高い領域を広くすることができる。このとき、フラッディング手法は、より大きな電力を用いて無線の送信距離を増加させると、それにともなって、ネットワーク全体の消費電力量が、非常に増加するが、提案手法では、ネットワーク全体の消費電力量の増加を、最小限に抑えることに成功している。さらに、フラッディング手法は、ノード数が増加するにつれて、消費電力量が増加する。一方、提案手法は、ノード数が増加するにつれて、ネットワーク全体の消費電力量が減少していることが分かる。以上より、ノードをランダム配置した場合において、提案手法は、正方格子上に配置した場合と同様の性質を示すことを示した。また、実機を用いた実験を行い、提案手法を用いて、実際のネットワークにおいて、情報を散布できることを示した。さらに、提案手法がフラッディング手法と同等の情報散布率を維持しつつ、ネットワーク全体の消費電力は、フラッディング手法より小さいことを示した。
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International Journal of Simulation: Systems, Science & Technology
巻: 17 ページ: 1,5