マイクロ波は、生体を非侵襲に透過し、医療では癌細胞を高温死滅する目的で使用されている。特殊な加熱機構を有するマイクロ波加熱では、多くの化学反応が熱伝導加熱よりも低温かつ短時間で進行する。そのため、生体でも同様の現象が推測されるが、そのメカニズムの多くは未解明である。我々は、本メカニズムを解析・制御することで、現行の治療法よりも低温で癌細胞を死滅させると考えた。そこで、マイクロ波を培養細胞に対して精密に照射可能な装置を開発した。また本装置を用いて、種々の培養癌細胞が死滅することを明らかにした。更に、ヒト骨髄性白血病由来HL-60細胞の死滅メカニズムについて解析した。
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