現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Digital PCRを用いた高感度体細胞遺伝子変異測定系の構築。EGFR遺伝子変異陽性肺がんにおける標準治療薬であるEGFR-TKIの耐性の原因として特徴的なEGFR (exon19とexon21), EGFR exon20 T790M, KRAS, BRAFの遺伝子変異とFGFR1の遺伝子増幅の異常について、プライマー設計とPCR条件を検討し、高感度アッセイによる測定系を構築した。 EGFR (exon19, exon21とexon20 T790M), KRAS, BRAFの遺伝子変異については、digital PCRによる検出をEGFR遺伝子変異陽性細胞株(H1975, PC-9, HCC827), KRAS遺伝子変異陽性細胞株 (A549, H460, HCT116), BRAF遺伝子変異陽性細胞株 (HT-29)を用いて確認した。これまで遺伝子増幅の測定は、Taqman法によるコピー数解析を行ってきたが、digital PCRによる測定系を構築した。FGFR1遺伝子増幅のある細胞株H520を用いて、FGFR1遺伝子増幅検出系を構築した。正常DNAでのコピー数を2とした場合のdigital PCRでの最小検出コピー数は、2.2であった。また、FGFR1遺伝子増幅のdigital PCRによる検出法とTaqman法との相関係数は0.994を示しており、digital PCR法によるFGFR1遺伝子増幅は十分にcomparableであることが示された。他の遺伝子増幅検出の測定法については、上記の手法を用いて他の遺伝子についても同様の検出が可能と考えらる。検出の有無は、各種の遺伝子変異を有する細胞株を用いて確認する。
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