研究全般にわたって研究協力者である、反社会的行動を伴う障がい者の支援研究会(しがASBサポートネット)と地域生活支援研究会の協力を得て遂行した。また、大阪府立砂川厚生福祉センター、滋賀県地域生活定着支援センターと共同で調査研究を実施した。研究成果の公表においては、しがASBサポートネットおよび性問題行動へのアプローチ研修会の協力を得て行った。 まず、研究内容では、しがASBサポートネットと共同で、性加害行為のあった知的障害者への支援を行っている事業所の支援者12名を対象としたインタビュー調査を実施した。また、過去に性加害行為があった知的障害当事者に対して、性犯罪・性加害行為への介入である心理教育プログラムを参考にした面接を実施した。さらに、過去に性加害行為があり現在は地域生活をしている知的障害当事者および地域生活の支援者、心理教育プログラムの担当者を対象としてインタビュー調査を行った。インタビュー調査によって得られた質的データについては、修正版グラウンデッドセオリー・アプローチ等を用いて分析を行い、研究協力者である地域生活支援研究会において妥当性を検討した。その結果、性加害行為のあった知的障害者が再加害行為から離脱して地域生活を継続するための支援に有用な示唆が得られた。 次に、研究成果についてであるが、今年度は龍谷大学矯正・保護総合センターへの論文投稿を行うとともに、平成27~28年度の研究報告書を作成して研究成果の公表を行った。また、性問題行動へのアプローチ研修会主催の研修を行い、研究成果の公表を行った。さらに、しがASBサポートネットと共に、性加害行為のあった知的障害者への支援に関するリーフレットを作成し障害福祉事業所の支援者へ配布した。
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