研究課題/領域番号 |
15K21535
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
太田 好紀 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10516404)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療の質 / 臨床疫学研究 / 手術関連有害事象 / 医原性有害事象 |
研究実績の概要 |
本邦における手術関連有害事象および手術関連エラーの疫学を明らかにするために、研究実施計画通りに、手術を受けた患者を対象にした多施設ヒストリカルコホート研究を実施した。 今年度は当初の計画通り、研究期間中に対象施設に入院した全患者のカルテを経時的かつ網羅的に調査し、患者背景ならびに手術関連有害事象や手術関連エラーの潜在的事象を全て抽出した。患者背景、麻酔方法、手術部位、手術方法、周術期管理をはじめとした臨床状況を詳細に再評価すると共に死亡率や病院滞在日数を同定するため、詳細なデータ収集後にデータクリーニングを行い、同時にデータベースを作成している。 現在、データベースを作成中であるが、手術関連有害事象の重症度や症状の分類の一致性を確認する必要があり、事象が多岐に渡っているため、手術関連有害事象の分類を再検討している。これまでに患者背景や手術関連有害事象や手術関連エラーの発生率、手術関連有害事象の重症度、エラーに関しての責任者などの検討はおおよそ終了しており、その研究成果を国際学会で発表し、同様の研究を行っている研究者とdiscussionを重ねてきたが、最終的な確定には至っていない。 先行研究より質の高いデータベースを作成させるためには、データ収集に多大な時間と労力を要することが判明している。本研究では、検討項目の分類が想定していたよりも多岐に渡るため、研究補助員を予定より増員する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究より質の高いデータベースを作成させるためにはデータ収集に多大な時間と労力を要することが判明している。本研究では、手術関連有害事象の重症度や症状の分類の一致性を確認する必要があると共に事象が多岐に渡っているため、手術関連有害事象の分類を再検討しており、想定よりも多大な時間を要していることが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
手術関連有害事象のコホート研究は計画に対し、やや遅れている。その原因としては、先行研究で想定した以上に分類などが多岐に渡るため、データのクリーニングに時間を要していることが挙げられる。そのため、データベースの作成に費やす時間を短縮する対策を講じ、研究補助員を増員して対応し、可及的速やかにデータベースを完成させる必要がある。その後分析を開始し、手術関連死亡や病院滞在日数を減少させる方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、2016年3月にBrussels, Belgiumで開催された36th International Symposium on Intensive Care and Emergency Medicineに参加予定であったが、12月にフランスでテロ事件が発生し、参加を見送り、予定していた学会発表ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に、今年度計画していた解析結果について国際学会での発表を行う予定にしている。
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