本研究は、廃用性筋萎縮後の再荷重が老年ラットの筋線維と基底板を損傷させることを明らかにした。再荷重後、老年ラットでは基底板を構成するcollagen IVが異所性局在を示し、さらにネクローシスを呈している筋線維が増加した。これは老化が基底板修復を障害していることを示唆する。さらに再荷重後に若年ラットではcollagen IV関連因子の発現が上昇するが老年ラットではそうではなかった。以上より廃用性筋萎縮が生じた老年ラットの筋は脆弱化しており、基底板構築を担う線維芽細胞の活性が低下していることが示唆された。線維芽細胞の老化を防ぐことが筋の回復において重要な治療戦略になることが明らかとなった。
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