研究課題/領域番号 |
15K21551
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
鎌田 智英実 四国大学, 生活科学部, 助教 (50389160)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食事調査 / 女子大学生 / 携帯 |
研究実績の概要 |
携帯食事手帳の継続利用実施および効果検討のための予備調査として、女子大学生60名に携帯食事手帳を1週間利用してもらった。1週間に可能な限りの利用を依頼したところ、5.2±1.9日間の利用であったが、長期的に継続利用する場合の実施可能日数を考えてもらったところ3.3±1.7日とのことであった。そこで、本調査で継続利用するグループの利用頻度は1週間に2日とすることとした。携帯食事手帳利用の際に必要な項目としては、72%の者が摂取エネルギー量および栄養素摂取量をあげており、実際に65%の者が携帯食事手帳利用時に確認していた。一方で、7%の者は携帯食事手帳の利用後の見直しをしていないことから、目的意識のない利用者への対応も課題である。 1週間の利用による効果として、食事内容への興味が高まった者が50%、実際に食事内容を変えた者が10%、摂取量を変えた者が15%であり、短期間の利用でも意識だけでなく行動の変化がみられた。 次に本調査として、女子大学生を対象に週に2回、1年間継続して利用する介入群66名および対象群62名に対して携帯食事手帳利用による効果判定のための調査を開始した。まず対象となる女子大学生の食事や食生活への意識調査のアンケート調査を実施した。食に対して興味や関心がある者は95%、食について学びたい者は96%であり、栄養学を専攻している者だけに食への高い興味が窺えた。その一方で、実際にどの程度食事を重要視しているかとの問いには、食事を最も重要なものと考えている者が48%いる一方で、食事は重要であるがその他にもっと重要なことがある者が41%、あまり意識していない者が10%であり、実際の生活では食事への関心の低さも窺い知れた。また、肥満でないにもかかわらず84%の者がやせ願望を有しており、携帯食事手帳利用では食事摂取量の把握に加え、正しい食情報の提供も課題であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は食事診断アプリケーションの利用と介入による食生活改善効果の検討を目的としており、おおむね達成できた。 まずは本研究の対象者となる女子大学生60名を対象に携帯食事手帳を1週間利用してもらい、継続利用の可能な期間や期待される効果についての予備検討を行った。このデータをもとに、食生活に関するアンケート内容の検討を行い、実際の介入研究を開始することができた。 実際の利用を開始することにより、長期間の継続利用に当たっての問題点などの検討が必要となってきたが、おおむね当初の予定通り進行できている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、携帯食事手帳の継続利用による生活習慣改善効果について検討を行う。 まず、現在継続利用している介入群の栄養摂取状況および食生活状況について、長期利用によるエネルギーおよび栄養摂取量の変化や身体状況、生活習慣の変化を検討する。 また、長期的な継続利用は、食生活への関心の低い対象者にとっては困難な面もみられることから、新たな対象者に対して短期間(1ヶ月程度)に集中的に利用することによる効果についての試験を開始する予定である。 また、携帯食事手帳を普及するための広報方法についても検討し、一般対象者への普及を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、介入調査を開始したが、協力者への謝礼品が現時点で生じていないため予算の使用が少なくなった。また、実際の介入をする際にスマートフォンを所持していない者はいなかったため貸出用のタブレット等の確保が必要なかった。 現時点では介入期間の効果検討による学会発表に至っていないため旅費も使用していなかった。これらの要因により当初予定していた支出額を下回っている。
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次年度使用額の使用計画 |
現在利用している調査協力者に加え、今年度新規に調査協力者を募ることから、調査協力者への謝礼品の購入を予定している。また、普及のための利用説明のプレゼンテーション用にタブレットやパソコン等を購入する予定である。 さらに、入力補助のための人件費および成果報告のための学会発表等も予定しているため、旅費を使用する予定である。
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